「翻訳者になるには?」「翻訳者の報酬って?」
翻訳者を目指す方からのご質問にお答えします。
どうしたら産業翻訳者になれますか?
将来翻訳者(翻訳家)として独立したいと思っています。翻訳者として独立する方法を教えてください。
- 翻訳者として独立するには、私の考えでは大きく2つの方法があります。
1、社内で翻訳をしている会社で社内翻訳者(または見習い)として経験を積む。
2、翻訳会社で経験を積む。
1の場合は、その会社で扱う文書のみを翻訳することになるので、翻訳分野が狭くなりますが、その分その分野については、深い知識を得られるでしょう。
実際、翻訳者として独立したら、(駆け出しの時期は特に)幅広い分野を対応することも求められるので、2、3年おきに会社を移ることをお勧めします。
そういった意味で派遣社員として勤務することはメリットといえるでしょう。
2の場合、翻訳業務以外にチェッカーやコーディネータとしての仕事も担当する可能性がありますが、将来翻訳者として独立した場合にも役立つ経験となることでしょう。
プロの産業翻訳者はどういった経歴のひとが多いですか?
- 大まかにいってふたつのケースがあります。
1、(留学などして)英語が得意なひとが、あとから産業分野の知識をつけていったケース
2、産業分野の知識が豊富なひとが、英語を習得して翻訳者になるケース
産業翻訳者として、必須のスキルは、外国語運用能力(主に読み書き能力)と専門知識です。
(もちろん、そのほかにも日本語能力など必要なスキルはたくさんありますが、ここでは話しをシンプルにするために、このふたつにフォーカスします)
要は、このふたつのどちらを先に習得し、どちらの知識を後で身につけるかということなのですが、意外に多いのが2の英語後付けタイプです。
通常の高等教育を受けていれば、だれでもある程度の英語力はあります。就職先で専門知識を習得し、その後で、昔習った英語をやり直すというケースです。
英語と専門知識とどちらの習得が大変かというのは、一概に比べられませんが、全員が基本的な英語力(翻訳では読み書き能力が重要)をつけていると想定した場合、専門知識の習得のほうが時間がかかるといった見方も可能で、そういう意味でも2のケースで翻訳者になったひとが多いのはうなずけます。
ただ、私の知るところでは、1のケースで活躍している翻訳者さんもたくさん知っていますので、一概には言えません。
平均的な翻訳会社の規模は?
翻訳会社は総じて小ぶりな会社が多いように感じますが、実際何名ぐらいの規模が多いのでしょうか?
- 翻訳会社の規模の平均は、2名〜3名程度といわれています。
正確な統計はありませんが、各種団体(日本翻訳連盟など)や大手企業が発表している推定企業数では、2000社〜4000社。
一方、日本の翻訳市場規模は、1000億〜2000億といわれています。単純に中間値で割り算すると、1500億(市場規模)÷3000社=5000万円。 ∴翻訳会社一社の平均売上げは5000万円(年間)となり、平均従業員数は2,3名と推測されます。
2、3名で運営されている翻訳会社は、元翻訳者の社長にアシスタント的役割の社員が2名程度というイメージです。
一方、従業員数が20名を越える翻訳会社は、日本に10社程度あり、業界では大手と考えていいでしょう。
翻訳会社は社内で翻訳していないって聞いたことがありますが?
翻訳会社が社内で翻訳をせずに、外部の翻訳者を使っていると聞いたことがあります。
それで品質は維持できるのでしょうか。発注担当者として不安です。
- YESでもあり、NOでもあります。
翻訳会社には、大きく分けて2種類あります。
■自社内で社長か社員が翻訳をしている小規模翻訳会社
■社外のフリーランス翻訳者に下訳を外注し、社内ではチェックや校正をしている中規模以上の翻訳会社
どちらがいいというわけではありません。
特徴としては、
○社内で翻訳
・翻訳の内容に関する質問に対しての回答が早い
・社内で翻訳しているので、その社内翻訳者が専門とする範囲しか対応できない
・少人数なので、キャパシティが少なく、急ぎの対応も難しい場合がある
○社外で翻訳
・専門分野ごとに翻訳者を選ぶことができるので、広範囲な分野に対応できる
・翻訳者が社外なので、翻訳者と直接やりとりできないケースが多い
プロ産業翻訳者の報酬ってどのぐらいですか?
- 月額数万円から数百万円までさまざまです。
翻訳者として独立したての駆け出しのひとには、月に1万円あるかないかというひとがたくさんいます。
もちろん、これは一ヶ月フルに働いた報酬というわけではありませんが、ほかの本職があったうえで片手間に翻訳をしているひとの例ではありません。
フリーランスの翻訳者のほとんどは翻訳会社から仕事をもらう形を取っていますが、翻訳会社に翻訳者として登録してもらうために、トライアル(テスト翻訳)を受けたり、翻訳会社の面接を受けたりなど、独立したてのときは、お金にならない仕事が多いものです。
また、よく稼ぐ人気翻訳者のなかには、月に百万以上稼ぐ人はざらにいます。
稼ぐ翻訳者の共通点は、
1、得意分野がしっかりしていて、その分野では他の翻訳者を圧倒する品質を維持できる
2、品質に対するこだわりは強いが、あくまでサービス業であることを理解している
1は当たり前といえば当たり前ですが、どうしてそれが高収入につながるのでしょうか?
理由は1である(得意分野がしっかりしていて、その分野では他の翻訳者を圧倒する品質を維持できる)その結果として、稼ぐポイントをアップできるのです。
具体的にいうと、扱う分野が広範囲にならないので、
ますます品質が高くなる(=価格競争にならない、高値で売れる)、
スピードがあがる(=量をこなせる)
また、2は見落としがちですが、重要なポイントです。
発注する立場である翻訳会社は、激しい同業者との競争のなかで、クライアントの厳しい要求をつきつけられています。
翻訳会社あっての翻訳者、翻訳者あっての翻訳会社といった協力関係を意識し、持ちつ持たれつの関係構築することは、大変重要だと思います。
どうしてフリーランス翻訳者は翻訳会社から仕事をもらう形をとっているのですか?
直接クライアントと取り引きしたほうがいいように思うのですが。
- このご質問への回答は次回の更新時にアップいたします。乞うご期待!





